(ブルームバーグ): エネルギー業界以外ではほとんど無名の太陽光発電のスタートアップ、米へリオジェンは最高経営責任者(CEO)に昨年、銀行大手ゴールドマン・サックス・グループが経営トップに大盤振る舞いした報酬を超え得るパッケージを提供した。カリフォルニア州パサデナに本拠を置くへリオジェンは、ビル・T・グロースCEOに2021年分として3700万ドル(約43億円)相当の報酬を支給した。1月の届け出で明らかにした。だが、グロース氏の報酬には落とし穴もある。報酬はほぼ全てが4年間かけて付与されるオプションで構成されており、株価が9ドルを回復しない限り価値はない。22日の終値は4.07ドルだった。幹部報酬コンサルティング会社、スティーブン・ホール・アンド・パートナーズのスティーブン・ホール氏は「株価が上がらなければ、これらのオプションは一銭の値打ちもない」と話した。へリオジェンと同社の出資者は、エネルギー市場のハイリスク・ハイリターン分野に賭けている。人工知能(AI)を活用し太陽光を小さなスポットに集中させるミラーを絶えず調整し、同社によればセ氏1000度を超える熱を発生させることが可能なシステムを手掛ける。これは鉄鋼やセメントの製造など極めて高い熱を必要とする重工業での化石燃料の使用、および二酸化炭素排出量を削減する手段になる可能性がある。このプロセスはまた、発電や低コストの水素燃料の製造にも利用され得る。ヘリオジェンは特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じた株式上場の前から、ビル・ゲイツ氏など有名な支援者を引きつけていた。ただ、そのような「集光型ソーラー」の初期の設備は熱ではなく発電に焦点を合わせたもので、住宅の屋上にあるのと同じ種類のソーラーパネルを使用する太陽光発電所よりもコストが高く建設が難しいものだった。へリオジェンの株価はSPAC株が全般に売られる中、昨年12月末の上場以来74%下落。時価総額は22日時点で7億4600万ドル。
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